TAVI(タビ)とはTranscatheter Aortic Valve Implantationの略で日本語では経カテーテル的大動脈弁植え込み術と訳されます。TAVIは機能が低下している心臓の弁（大動脈弁）をカテーテルと呼ばれる管を用いて、胸を開けずに、また心臓を止めることなく人工の弁に置き換える治療法のことで、我が国では2013年10月から健康保険適用となった新しい治療法です。
大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症の一つで、大動脈弁が硬くなり、開きが悪くなることで様々な症状を引き起こす病気です。軽症のうちはほとんど自覚症状がなく、病状が進行すると息切れや胸痛、重症になると失神や突然死に至る可能性もあり、高齢化に伴い急増しています。今までは胸を開けて人工弁を置き換える外科的手術が唯一の治療法でしたが、高齢などの理由で手術が困難、もしくは危険が大きいと判断された場合はこの新しい治療が適応となります。ただし、耐久性などの問題点もあるため、その適応についてはTAVIが行える施設で内科と外科が一緒に検討することが重要です。