運動療法を紹介 Q.3
Question
なぜ、運動がよいのでしょうか?
Answer
6つの大きな効果があります。
- 心臓への効果
- 運動能力への効果
- 筋疲労に対する効果
- 心臓病の原因管理の効果
- 内因的な効果
- 精神面での効果
となります。それぞれについて説明します。
心臓への効果
運動をすると、心臓の筋肉を養う血管の血液の流れが良くなり、さらに長期的に行うことで、心臓の機能を改善する効果があると考えられています。また、不整脈のある人では、運動を1~3か月間続けると、発作の抑制効果があることもわかっています。
運動能力への効果
運動をすると、上に述べたような心臓への効果のほか、肺の機能、末梢の血液の流れ、そして、筋肉の量にも大いに効果が認められます。これらを総合すると、運動効果は3か月間で20~30%増加するのが普通です。逆に言えば、運動をしないでいたときの心臓より、運動効果の上がった心臓では同じレベルの動作や運動をするにも、楽に働くことができるようになるということです。ですから、虚血発作も減少します。
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筋疲労に対する効果
京大グループの検討で、筋疲労が明らかに改善することがわかりました。これは運動療法を行なった患者さんの日常労作が容易に行えるようになることを示しています。
心臓病の原因管理の効果
あなたがもし動脈硬化症が原因で心臓病(冠動脈疾患)になった場合、その原因(危険因子)として、1.糖尿病 2.高血圧 3.脂質異常症 4.肥満 5.喫煙が考えられます。運動療法は、1.~4.などの疾患を予防することで心臓病の再発を防ぎます。
内因的な効果
交感神経が興奮すると、心拍数や血圧を上げる物質が分泌され、心臓の負担が増します。また、不整脈が発生し、『突然死』に至ることもあります。しかし、運動をすることで、交感神経に相反して働く副交感神経の活性が増し、心臓を保護する方向に働くことが証明されています。
精神面での効果
心臓病があると、だれでも不安になります。それが高じて「うつ状態」になる人もいます。医師の指導の下に、きちんとした運動プログラムを長期間行うと、不安やうつが軽減することがあります。また、同じ病気の仲間と一緒に運動をおこなうと、この心理効果は大きくなるようです。
現代社会はストレスの宝庫、ストレスは心臓病に重大な影響を及ぼします。運動はストレス・マネージメントとしても有用です。
精神面での効果については「3.ストレス管理等心理学の面から」にも掲載(予定 現在工事中)ですので、参考にしてください。